山形県高畠町出身の童話作家 浜田広介は、明治26年高畠町一本柳に農家の長男として生まれました。
米沢中学(現、山形県立米沢興譲館高校)から、早稲田大学英文科に進み、短編小説を書き始めます。
その後、最初の童話作品「黄金の稲束」に表現された「善意性」が評価され、以後、その精神を創作の拠とされたと言われています。
その後、50余年童話作りに励みました。
その数は一千篇に及ぶと言われ、特に「むく鳥の夢」、「泣いた赤おに」、「りゅうの目のなみだ」は今でも読み継がれる名作です。
それゆえに、日本のアンデルセンとも言われています。
広介の童話の中心に流れる、素朴で純情な郷土性、温かな母性愛などは、ふるさと高畠町の中で育まれたものではないでしょうか。
その後、広介の功績を称え、児童文学賞や野間文芸奨励賞、文部大臣芸能賞などが与えられました。
創作姿勢は一貫して、人の善意性というものを表現し童話を書き続けた浜田広介は、昭和48年、永眠しました。
享年80歳でした。
浜田広介記念館
浜田広介記念館は、この童話作家浜田広介の功績を称え、その業績を後世に伝え、子どもたちに文学の楽しさを伝え、様々な人たちが集える文化施設を作りたいということで建設されました。
記念館は遠くから見ると一眼でわかる、丸い屋根が特徴です。
ここは多目的ホールでひろすけホールとも呼ばれています。
高畠町は遠くに奥羽山脈や、飯豊連峰など、高い山並みを望めますが、その下にはこんもりと優しげな山々が連なります。
その故郷の山をイメージして作ったそうです。
館内紹介
館内は木材をふんだんに使われていて、落ち着いた雰囲気です。
ホールでは演劇や映画上映、講演会、各種展示、コンサートなどが開かれます。
各情報は記念館のホームページで確認できます。
展示室中央の「童話ルーム」では、「泣いた赤おに」や「りゅうの目のなみだ」が上映されます。(約15分)
「見て」「聞いて」、ひろすけの世界を楽しめます。
オープンスペースにはひろすけの童話を始め、国内外の絵本や、紙芝居、少年小説など3000冊があり、自由に読むことができます。
また和室「心楽庵」を解放し、読み聞かせや休憩などにも利用できるようになっています。
外に出て見ますと、左側に浜田広介生家が見えます。
築百数十年という古民家です。屋根の中央に囲炉裏の煙抜きの破風がある農家造りの家です。
平成12年に記念館内敷地に移動・復元されました。
「ないた赤おに」のように、扉はいつも開かれており、自由に見学ができます。
本館と、生家の前にはひろすけ庭園が広がります。
小川や池もあり、ひろすけ童話をモチーフにした石像や碑があり、遊びながらひろすけの世界に触れることができます。
イベントやコンクール
さらに、毎年、「ひろすけ童話賞」や「ひろすけ童話感想文・感想画全国コンクール」、「ひろすけ童話造形創作コンクール」なども開催しています。
また春の連休、秋の連休などにも、親子向け、子ども向けのイベントなど楽しく文学に触れられる企画です。
住所
山形県東置賜郡高畠町一本柳2110
連絡先
(財)浜田広介記念館 0238-52-3838
営業時間
9:00〜17:00
9:30〜17:00(12月〜3月)
※受付は16:30まで
喫茶コーナーは10:00〜16:00
休館日
毎週月曜日(祝日の場合は翌日の火曜日)
祝日の翌日・年末年始(12月28日〜1月4日)
※展示替えのため臨時休館することがあります
料金
個人:大人500円 学生300円 小人200円 幼児100円
団体:大人300円 学生200円 小人100円 幼児50円
※団体は15名以上
※学生は高校生以上
※幼児は3歳以上
※障害者手帳をお持ちの方とその付き添い人(原則1名)は無料
アクセス
JR高畠駅より車で5分 東北中央道・南陽高畠ICから車で約4分
駐車場
有
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