日本三大文殊の一つ、亀岡文殊堂。
他に奈良県桜井市の安倍文殊院(あべもんじゅいん)、京都府宮津市の智恩寺(切戸の文殊)があります。
文殊とは知恵を司る菩薩様と言われており、昔から、『三人よれば文殊の知恵』といわれるように、学問の神様として知られています。
松高山大聖寺
亀岡文殊は真言宗智山派に属し、正式には松高山大聖寺といいます。
平安時代、大同2年(807)に当時、奈良東大寺住職だった徳一上人が、平城天皇の勅命を受け、東北地方の布教のためこの地を訪れました。
中国から伝来した文殊菩薩を、高畠町亀岡に移したこととか、中国の五台山に似た山の形に心うたれて建立したのが文殊堂の始めとも言われています。
また、皇室の勅願所として、国家安穏の祈祷を命ぜられた天下の名刹です。
アクセスと参道
亀岡文殊は高畠駅から車で15分のところにあります。
参道の入り口では高くそびえる杉の木が出迎えてくれます。
そこから老杉の大木に囲まれた、長い石の参道が続きます。
雨に濡れた石の参道は、滑りやすいので、しっかりとした履物、シューズで登るのがいいと思います。
受験の神様
山形県で亀岡文殊と言ったら、まずは受験の神様です。
釈迦の左にいらしゃる知恵の文殊様ということで、学校関係者や受験生がよく参拝に行きます。
クラブ活動や部活が終わる夏の終わり頃、いよいよ受験勉強が本格的になる頃、県内外から受験生と家族が続々と訪れます。
私もかなり昔のことですが、受験の前にお参りに行きました。
あまり勉強はしませんでしたが、お陰様で合格いたしました。
祈願の仕方
さて、文殊堂の前での祈願の仕方を紹介します。
まず、おじぎをし、お賽銭を入れます。
合掌し、祈願したらもう一度おじぎをします。
次に願い事や名前を書いた護摩木という長い板を奉納します。
お土産なども魅力的
祈願が終わったら、茶屋などで名物の「知恵の焼きだんご」や「薄皮丸ナス」などをいただきながら、長い参道を戻ります。
薄皮丸ナス漬けは置賜地方を代表するナスの漬物で、とても美味しい漬物です。
寺務所では、お札やお守りを購入する方が多いようです。
合格えんぴつや、合格米といったものもあります。
最近人気の御朱印もここで書いてもらえます。
亀岡文殊祭礼星まつり
毎年1月の下旬には「亀岡文殊祭礼星まつり」が開催されます。
千年以上続くと言われている伝統行事で、1年間の厄難消除、開運出世の祈祷が行われ、願いを託したお札を炎に投げ込まれ、願いは煙となって天に届きます。
また、亀岡文殊は米沢藩(主君は上杉景勝)の家老であった直江兼続などの戦国武将との所縁のある寺としても知られています。
ちなみに直江景勝は「愛」の兜で有名で、大河ドラマにもなりました。
当時の武将たちは、戦うことだけでなく、詩歌なども読む風流人でもあり、亀岡文殊堂で歌会なども開催していたようです。
余談ですが、傾奇者と言われた武将、前田慶次ものちに米沢藩に仕え、兼続らと一緒に隠棲後は一緒に和歌や連歌を楽しんだりしていたそうです。
前田慶次のおしゃれな鎧兜は米沢市の宮坂考古館に行くと見ることができます。
今では学問の菩薩様と言われていますが、当時は文学的、芸術的な表現をする人々が集う場所でもあったのかと思い巡らしました。
近隣スポット
文殊堂の他には、駐車場手前の仁王門、大聖寺、縁結び観音、西国三十三観音分霊、奥の院などがあり、参道の左右には石碑や石仏が並びます。
大聖寺本坊は大日如来を本尊としてまつってあり、鎌倉時代の作といわれる桧の寄木造漆箔像の木造聖観世音菩薩立像と阿弥陀、薬師像の2体があります。
軒下の彫刻なども、いわゆる仏像的ではなく、より人間らしいもので必見です。
合格祈願詣ではなく訪れると、また一味違った面白さが発見できます。
住所
東置賜郡高畠町亀岡4028-1
連絡先
亀岡文殊大聖寺 0238-52-0444
高畠町観光協会 0238-57-3844
駐車場
無料
アクセス
高畠駅より車で10分
東北中央道・南陽高畠ICから車で約12分
コメント