高畠石採石場であった瓜割石庭公園の紹介をします。
高畠石とは
高畠石は火山灰の堆積によってできた高畠町特産の石で、少し黄味がかっており、硬く、独特な温かみもあり、無数の気泡があるのが特徴です。
古くは古墳時代の石室として使われた形跡が見られ、江戸時代あたりから石塀として使われてきました。
高畠町内では現在も民家の石塀としてあちこちに見ることができます。
安価なコンクリートの塀が出てきて、需要が減り、高畠石の採掘はほとんどされなくなりましたが、今でもわずかですが採掘されているようです。
高畠町中心部にある、今は廃止された高畠鉄道山形交通高畠駅舎もこの高畠石で作られています。
高畠石採石場
高畠石採石場の場所は、高畠町の西方にあり、車で国道113号線を宮城県白石方面に向い、まほろば古の里歴史公園をすぎ、高畠町郷土資料館のところを左折します。
この道路は「ぶどうまつたけライン」と言います。
しばらく野道を走ると右手に採掘場の壁が見えてきます。
砂利の駐車場に車を止めて進みます。
左手には以前野外音楽堂として使われていたスペースが見られます。
ステージのような石組みも作られています。
でも、もうここではコンサートなどは行われていないようです。
中に進んでいくと、四角い洞穴のようなものがあり、「いも煮スペース」となっています。
テーブルや椅子もあります。
山形名物「いも煮会」ができるようです。(申し込みは道の駅たかはたまで/有料)
「いも煮」とは、牛肉、里芋、こんにゃく、ネギをしょうゆ味で煮込んだ野趣豊かな山形の郷土料理です。
地域によって、入れるものが少し異なりますが、秋になると県内あちこちで繰り広げられる山形の風物詩です。
トンネルを抜けた先には…
そこからまた奥に進むと小さなトンネルがあり、そころくぐり抜けますと・・・
まさに異次元の空間とも言える不思議な場所が広がります。
四方を高く高畠石の壁に囲まれ、「わーっ」と歓声をあげるとその声がこだましました。
自然の音響効果です。
その壁には縦の線と横の線が文様のように見られます。
縦は壁の頂上から落ちてくる雨水や湧水の落下による帯のような線です。
黄色、ベージュ、茶色と鮮やかではありませんが、きれいな色合いです。
そして横の線は、石職人たちが鑿一つで一振り一振り人力で石を削った跡だそうです。
大谷石や宇都宮石ほどのスケールの採石場ではありませんが、無数の鑿の跡を見て、その圧倒的な歳月のことを思うと、歴史という時間を感じつつ、「今」がいつなのかわからなくなってしまうようなまさに異次元スポットです。
でもなぜこのような空間になったかというと、つまり、初めは頂上の部分から削り掘り起こし、下に深く深く掘り続け、長い年月の間にこのような深さのスペースとなったということです。
瓜割石庭公園の由来
さて、この瓜割石庭公園という名前の由来をお話しします。
採掘場のそばに湧く清水に、おそらく職人たちの喉を潤すためであろう瓜を投げ込んでおいたら、水のあまりの冷たさに瓜が割れてしまったという言い伝えから名付けられました。
奥羽山脈から流れ落ちる水が地下水となり、瓜も割れるほどの冷たい清水になったのでしょう。
山形県の冬は雪が多く、この地域もかなりの積雪に覆われます。
この石庭公園を見学できるのは、春から秋までとなります。
何もない空間で、日頃の疲れを癒すには最適な場所です。
住所
山形県東置賜郡高畠町安久津地内
連絡先
道の駅たかはた 0238-52-5433
高畠町観光協会 0238-57-3844
入場料
無料
営業時間
夜間照明がないので明るい時間帯に見学をしてください。
冬期間は雪のため、通行不能となります。
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